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スネアのコンプ技 【MIX】

「音像を理想的にまとめる方法」

例えば、アタックの効いた音の代表「スネア」。
アタックが強いだけではなく、音量差も激しい、そんなスネアトラックにはコンプが必須。


(tkrのスネア。単版メイプル。木の鳴りがデカイ。最近叩いてないのでたまには叩きたい)

ロック系の場合、きっと要望としてはこんな感じでしょう。

・聴いていて安定感が得られる程度に音量を揃えたい
・アタックが「バシっ」と、胴鳴りも「ダァーン」と迫力を出したい
・でも、マイクに回り込んだハットやシンバルの音はあんまり持ち上がって欲しくない(生ドラムの場合)

でもこれ、コンプだけで解決しようとすると、実はめちゃくちゃ難しいんです。

アタックを重視すると音量のばらつきが改善されなかったり、
音量の平均化を重視するとアタックが出過ぎたり潰れすぎたり。
コンプを深くかけるとなんかカッコよく聴こえるけど
マイクに回り込んだシンバルの音も一緒に上がってしまいワシャワシャうるさい。。

では、「安定感」「アタック」「胴鳴り」「聞きやすさ」の全てを満たすにはどうすればいいか。
あんまり教えたくないけど、「絶対内緒!企業秘密!」じゃ記事にならないんで、こっそりと。
コンプだけではなく、他のプラグインを併用してゴールを目指します。


①comp

なにはともあれ、まずは王道にコンプ。
音量を平均化、アタックをビシっと、サスティーンも効かせる方向でセッティング。
ゲインリダクションは6dBを中心に針が振れるように極めてノーマルに。
(6dBを中心にmax12dBくらい)
ベロシティをしっかりとコントロールして「打ち込んだスネア」であれば、
これだけでも充分の場合は多いが、生ドラムの場合はまだ少し物足りないかもしれません。
「もっと胴鳴りを強調したい」「もう少し安定感が欲しい」と、この時点で僕はよく考えます。
でもコンプを深く掛けていくと、アタック感がおかしくなったり、シンバルが持ち上がってきてしまったり。。
そこで↓


②Envelope Shaper

CUBASE付属の「Envelope Shaper」これがなかなかシンプルに使えます。
(勿論、SPL「Trainsient Desiner」やNative Instrument 「Transient Master」などでも)

アタックとリリースを直接ブースト/カット出来るため、早く目的のサウンドへ近付けます。
但し、やりすぎは厳禁。コンプはゲインリダクションが6dB付近が一番美味しいとされていますが、
こういったトランジェントを弄る際も同様に、6dB辺りを意識して使うと美味しく仕上がります。

リリースだけをブーストし、スネアの胴鳴りを強調しました。


③MV2

wavesのMV2。大きい音を潰すことにより均一化を図るコンプとは一味異なり、
「小さい音を持ち上げる」というなんとも便利な動作が可能。
これまた同様に、掛けすぎはNG。
ほんのりと、音の小さい部分が持ち上がるくらいの設定でOK。
つまりショットがソフトすぎた箇所の音量が持ち上がり、安定感が増します。
音のリリースもほのかに持ち上がり、自然に太く仕上がります。

comp・Envelope Shaper・MV2をそれぞれ程よく併用することによって、
「安定感」「アタック」「胴鳴り」「聞きやすさ」の全てを満たすスネアサウンドに大変身!
きっついコンプ1つだけで整えるよりも、遥かに楽で、直感的にカッコイイ音を得ることができます。

僕は元々ドラマーなので、ドラムの音にはなかなか敏感なもので。。
ドラムの音作りは誰にも負けないように仕上げます!


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