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マニピュレーター方法論3 【マニピュレート】

リハ初日までに膨大な量のデータ整理作業を終わらせ、
リハを通して誤差を細かく修正し、完全に整ったデータを引っさげ、
いざ本番です!




自分専用の進行表


マニピュレーターがPCの再生を開始することで、
プリカウントがプレイヤーのイヤホンに流れ、ドラムのカウントが始まり、曲が始まります。
ということは曲のスタートするタイミングは全てマニピュレーターが把握する必要があります。
忘れたら終わりです。笑
適切なタイミングでスペースキーを押さなきゃいけません。

なのでマニピュ専用の進行を作っておくのです。

いわゆるセットリストと、曲間でのボーカリストの台詞を全て網羅したものを作ります。
台詞のどのタイミングでスペースキーを押すとベストなタイミングになるかをリハのうちに計っておくのです。
(PC再生→プリカウント→ドラムカウント→曲スタート、と、どうしてもタイムラグが発生するので)

どのタイミングでPCを再生させ、どのタイミングで停止するのか、全て正確に把握するための自分専用の進行表、
これを本番は手元に置いて一安心です。




セッティング時の注意点


マニピュ・シンセ tkr


幕末Rockのステージではマニピュレートに加え、シンセも同時に担当するので、全てステージの上にセッティングされます。
スタンディングで演奏するので足元にケーブルがこないようにします。
イヤモニモニターのケーブルがひっかかった時は、それはもうステージの上にいることを忘れるくらい焦ります。
綺麗な環境は大切です。




プロジェクトデータ





最初は600トラックもありプラグインエフェクトも挿し放題なプロジェクトデータでしたが、
いくらパワフルなPCとはいえ、その状態で本番に突入するのは無謀です。
ステージ上は不安定要素が多いのです。
いらないトラックは削除して、全てのトラックはバス毎に書き出し、10トラック以内に収めます。(画像では7トラックです!)
プラグインエフェクトも挿すのはNGです。
ライブ環境なので、サンプリングレートも16bit / 44.1kHzで十分だと僕は思います。
PCを重さから開放してあげ、安全な再生環境にすべきなのです。
もし同期が止まってしまったら完全にアウトです。

なのでPCも2台体制です。

○PC×2
○オーディオインターフェース×2

です。

メインマシンが止まってもサブマシンが走り続けているので、素早く切り替えて対応可能です。
本番はとにかく、「止まること」への対策と予防が一番大事なのです。
ちなみに、勿論ですが、今まで本番中に同期が止まったことは一度もありません。
止まらないことが当たり前なので、「止まらなかったね!えらい!」と褒められることも勿論ありません。笑
なんとも本当に、マイントラブルが怖すぎる、そんなポストなのです。




電源


上に「不安要素」と書きましたが、不安要素といえば、ステージ上の電源はおっかないものです。

ギターやベースのエフェクターに電源が入らないとか、
アンプの音が鳴らないとか、
ノイズがやたらのってしまうとか、
ライブハウスの大きさに関係なく、よくありますよね。(バンドあるある)

その一因にステージ上の電源の不安定さが挙げられます。
楽器を始めとし、証明、PA、無線も飛び交う状況、不安定になるのも当然です。
なので、そんな環境下でPCを安全に走らせるには無停電装置が必須です。
乱れた電量を正弦波に修正し、安定した電圧で電源を供給してくれます。

自宅スタジオでも無停電装置を使っています。
縁の下の力持ち、頼れる奴です。




本番





さぁ、準備は万端!
髪の毛弄って、衣装着て、ステージへ向かいましょう!
本番は本当になにも特別なことはありません。
失敗しないように安全確実に一個一個進めるのみです!
なので、バンドメンバーの熱い演奏姿と比べられると、だいぶクールに見えると思います。
あまりクールすぎても観てる人が冷めちゃうと思うので適度に熱くなろうとしますが、
やはりマシンコントロールの把握が第一なのでクールになってしまいます。笑
マニピュとは、なんとも難しいパートなんですね。






以上、マニピュレーターの仕事内容を簡単に紹介致しましたがどうでしょうか?
情報が乏しい分、色々なやり方をそれぞれが模索する必要があると思います。
また、新しいマニピュの方法を見つけたら紹介したいと思います!


ちなみにそんな僕がマニピュ&シンセを担当した「幕末Rock 超超絶頂★雷舞」の模様を収めたDVD/Blu-rayが発売されました。


ライブDVD「幕末Rock 超超絶頂★雷舞」




もしよかったらご覧になって下さい!






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