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実践的コード進行1 【作曲】【編曲】

 当サイトのコード表記は基本的に、key=Cで分かりやすく記載しています         

 

「ギター・ベース・ドラム」といったロックバンド編成の楽曲であれば、
ギターがコード感をメインに奏でる楽器になるわけですが、
例えばそのギターがパワーコードで演奏されると、3度の音が鳴らずに和音が展開されます。
つまり、3和音の3度省略型。(F5、G5、A5・・などと表記されます)

特に、そういったシンプルなバッキングギターには、
オブリやリードといった2本目のギタートラックでコード感を表現することが肝となります。

 

 

コードを指定する技

 

バッキングがEのパワーコードを弾いている場合、
3度の音が省略され「ミ」と「シ」だけが鳴っていることになります。
ここで問題発生です。
3度の音を含まないので「E」か「Em」か分からないのです。
ところが、もし、ボーカルのメロディが「ソ#」を歌っていれば、
足らない3度の音が響くためコードが「E」だと判明します。

が、「ソ」を歌っても間違いではないのです。
これが本当の問題点。
コードが「ソ」or「ソ#」を省略しているので、どちらを歌っても不協和にならないのです。

これを回避するために、パワーコードで鳴っている「ミ」「シ」に加え、
ほかのギタートラックで「ソ#」を鳴らしてあげます。
すると全体的に和音を捉えたとき、コードは「Em」ではなく、はっきりと「E」に聴こえます。
するとボーカルは必然と「ソ」ではなく「ソ#」が正しいと理解できます。

このように2本目のギタートラックでコード感を指定することができるという方法です。

 

 

コードを拡張させる技1

 

バッキングがDmを弾いている中、もう1本のギターが「ド」の音を含むフレーズを展開すれば、
2本のギターの響きが混ざり合わさり「レ・ファ・ラ・ド」つまり「Dm7」に変化します。
いわゆる「4和音」です。

基本的な3和音(C・Dm・Em・F・G・Am)のみで曲を作るとどうしてもこどもっぽくなります。
稚拙な雰囲気が拭えず、曲のカラー感を出すにも限界を感じるでしょう。

対する4和音(C△7・Dm7・Em7・F△7・G7・Am7等)は、
もとの3和音のキャラクターを保持したまま、奥行きとフレーズの可能性を広げてくれます。
J-POPでは4和音は非常に登場頻度が高いので、まず4和音を優先的に使えるか考えたほうが得策でしょう。

4和音に変化させる方法は2本目のギタートラックに限らず、ピアノでもいいでしょう。
実際、ピアノの方が複雑なコードトーンを表現するのに向いていると感じます。
ピアノで4和音をしっかり演出できていれば、逆にギターはパワーコードだけでも成立します。

 

 

コードを拡張させる技2

 

バッキングがAm、うわもののギターフレーズが「シシシド~」みたいなフレーズで絡めれば、
「Am9」のような響きが得られます。
コードのテンションを別トラックで付ける方法ですね。
組み合わせは無限です。

コード同士を組み合わせてしまうという技も僕は使います。

クランチギターで、

| Am | F | C | G |

と弾いてる中、
アコギで

| C | C | C | G |

と重ねれば、

| Am7 | F△7(9) | C | G |

という響きが得られ、
ただの3和音の進行よりも、だいぶお洒落な雰囲気になるのが分かります。
しかしこの技は重ねる音色の相性もあるので確認しながら行ってくださいね。

 

 


 

 

テンションなど、あれこれ表記されたコードネームは、
コード理論に詳しくないミュージシャンにとってかなり頭の痛くなる話ではありますが(僕も最初はそうでした)
実際、J-POPで耳にするコードというものは、
シンプルな3和音よりも、ちょっと気の利いた4和音の方が圧倒的に多かったりします。

ボーカルのメロディ次第でコードの展開は変わってきますが、
ロック楽曲でコード感を表現するのに、とても有効な応用テクニックだと僕は思います。
ぜひお試しください!






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