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説得力のあるボーカル 【MIX】【アーティスト】

MIX、
各トラックの音像を整え、全ての音を混ぜ、1つの曲に落とし込むバランスとして

「ボーカルを一番に聴かせたい」

という希望がもっとも多く、
歌モノ曲、特にJ-POPではメインテーマになります。

メロディ(曲)があって、そのメロディをアーティストが歌うわけですから、
その曲を「売る」ためには当たり前の方向性だと思います。

studio tkrでもそのバランス感覚を念頭に置いてMIXしています。
なので、目立つ「ボーカル」のトリートメントについても重要視するわけです。
(参考:BLOG ボーカルトラックのEDIT作業  MIXの流れ

 



さて、では実際にどのようにボーカルを「一番に」聴かせるのか?

ボーカルのフェーダーをただそのまま闇雲に上げるのはナンセンスです。
ボーカルの音量がただ「大きい」だけの2mixはマスタリングのリミッターに一番に引っかかり、
結果、ボーカルのアタックも抑揚も無くなり、「目立たなくなる」という結果になりかねません。



ではどうするか。
ボ-カルの「存在感」を出すのが正解だと僕は思います。





MIXで存在感を出す

 

compでしっかりと平均化、attackは20msec程残します。
このアタック感も存在感の重要なファクターだと僕は考えます。

EQで適度に抜けを確保しつつ、
コーラス系で厚みを、
エキサイターでギラっとした質感を付加するのも手です。
ディレイなど空間系も有効でしょう。

攻めている曲では、カットアップやテープストップなどの特殊効果もよく混ぜます。
それぞれの採用は曲調により判断が必要です。





マイクで存在感を出す

 

スタジオ定番の「87」
僕の大好きなマイクです。

適度に太い中低域とナチュラルに伸びた高域。
低ノイズで圧倒的に「自然」に録れるその音は、正に存在感を演出するのでしょう。

倍音が付加された質感を得るために、高級なマイクプリを挟むのも常套手段です。
レコーディングエンジニアと相談してみましょう。





しっかり発声する

 

MIXでもマイクでも、方法はあれど、そもそもの「歌い方」に存在感がないと実現しません。


ドラムでも同じことが言えます。


ROCKやPOPSにおいて、
「アタック」も「サスティーン」もしっかりあるドラムサウンドが理想とされます。

ベチベチっと「アタック」だけでもだめです。
アタックがなくて「トーーン」だけでも迫力は出ません。
バシっとアタックがあり、ドーーン!とサスティーンが伸びた音がかっこいいのです。

打ち込みであれば、スネアの2・4拍は120で打ち込むことが必須です。
(音色のセレクト・調整も必要ですが)
キックも強拍は120でOKです。
間違っても70とかにしないように!
アタックもない、サスティーンも弱い音が鳴ります。
するとMIXでも手に負えない可能性が高いです。

生ドラム録りの場合は、2・4拍はフルショットで鳴らしきる。
キックも1曲を通して本気で踏みましょう。
スティックにショットスピードが乗っていないとしっかり鳴らしきることが出来ません。
弱久しく、小さく叩いたドラムサウンドは「アタック」も「サスティーン」もなく、
説得力に欠けるサウンドになってしまいます。




歌も同じです。

しっかりと力を抜いて、通る声・魅力的な声で発声することが大切です。
ピッチやタイミングはそこまで正確じゃなくても大丈夫です。
(逆にそこが人間らしさ、ボーカリストとしての魅力だったりすることが多い)
つまり発声が大事なのです。

ピッチやタイミングを修正することは誰でもやっています。
今や、「ケロケロボイス」も特殊なエフェクトとしての概念は消え、
エレクトロ以外の曲調にも平気で登場するようになりました。
リスナー的にも「ケロケロだ」と特に印象的にも思わず、
「そう歌っているもの」と思っている人も多いでしょう。
そのくらい耳に浸透しきってしまいました。

しかし、今の技術、発声だけは弄れません。直せません。
どんなにピッチもタイミングも良く(直せ)ても、
発声が弱久しいと、ただサウンドに馴染む(埋もれる)説得力のない声になってしまいます。
ボーカリストとしては発声が何よりも大事なのです。

僕の周りのボーカリストはボイストレーニングに通っている方が多いように思います。
当初は歌に自信の無かった方も、通い出してから、やはり発声がまずグンと伸びます。
するとMIXでも適切にボーカルの存在感を引き出すことができ、作品の完成度もあがります。
プロでもボイストレーニングを欠かさない人が多いです。
もし、プロのボーカリストを目指す立場であればボイトレへ通うことをまずは一番に考えた方がいいと僕はオススメ致します。
ボイトレは必ず自分のためになります。




ボーカルトラックの存在感を一番に出し、
魅力的な曲に仕上げましょう!

 

 

 

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