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「行く」問題 【RECディレクション】 

現在、編曲・MIXを主軸に、年間150曲以上を制作させて頂いておりますが、
レコーディング現場の「ディレクション」も担当することがあります。

 

ディレクション作業の中で特に大事だなぁと思う工程が、

「読みの指定」です。

 

 

さて、「行く」は、どう読みますか?
「いく」ですか?「ゆく」ですか?

 

「ゆく」の方が、なんだか詩的で少し情感が込められているようなニュアンスに聴こえますね。
が、「いく」と読んでも勿論間違えではないでしょう。

 

どちらが正解というわけではないのですが、
読み方を指定していない場合、ボーカリストはどちらで歌うべきか分からなくなってしまいます。

 

「いく」と歌っている仮歌を既に聴いて練習していたとしても、
ボーカリストの気分がノってきて「ゆく」と無意識に変更してしまうことも少なくないです。

 

テイクごとに「いく」「ゆく」がバラバラだと、使えるテイクが限られてきてしまいます。
さらに、複数ボーカルの曲で、それぞれのボーカリストが「いく」と「ゆく」であっちこっち歌っているとMIX時に救済不可能になってしまいます。

 

まとまりがないどころか、「い」と「ゆ」が同時に発音されると、子音も母音も違うため、
「あれ?なんか誰か歌詞間違えて歌ってる??」という印象をリスナーに与えてしまいます。

 

 

英語の歌詞についても同様です。

 

「live」は「ライブ」でも「リブ」でも正解です。
前後も英語でつながりがあれば判断できなくもないですが、これも読み方の指定が必要となります。
難しい英単語が登場したりすると、もはや読むことも困難というケースも多々あります。

 

この辺りの確認作業もディレクターの仕事です。読み方を指定して、間違って発音していたら指摘・修正します。
しかし、作詞家の意思と違う発音をしてしまうなんてことにもなりかねないので、
レコーディング用の歌詞データにはあらかじめ、振り仮名を振ることをお勧めいたします。






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