MIX BLOG
2017/04/04
DAWの普及で誰でもMIXできる時代になり、様々な楽曲が溢れています。
MIXの手法といいますか、そのサウンド感も実に多く存在しています。
さて、我々音楽家は「良いMIX」を目指してサウンドデザインしますが、
果たして「良いMIX」とは一体どんなMIXなのでしょうか。
「良いバランスでかっこよくまとまってるMIX」?
さらっと問い掛けておきながら、なかなか難しい問題です。
いかんせん、「サウンド」は耳で聴き、「感覚」で感じ取るもの。
それを、文字に起こして、万人に伝わるように、となるとシビアで難しいのです。
では反対を考えて見ましょう。
「良くないMIX」はどんなMIXでしょうか?
これは比較的、多く回答できそうです。
・音が割れまくってて汚い
・音にまとまりがなくチープ
・ちょっと音量上げて聴くと音が痛く耳に刺さる
・なんかぺらぺらで薄いサウンド
・こもってて明瞭感がない
・音量が大きかったり小さかったり、聴きづらい
などなど
我々音楽家ならば、一度は通ったことのある道かもしれません。苦笑
こういった結果にならないように、日々ノウハウを磨き、改善してきました。
そう、つまり、「MIX」というものは、こうあるべきなのです。
「問題点を見付け、改善する」
これこそがMIXの目指すべき手法です。
問題点がなくなれば、結果、悪い所がなくなり、かっこよくなるのです。
「かっこいいMIXを目指す!」は大抵失敗します。
恐らくこの考えでは、EQやCOMPをとにかく挿して挿して!なのでしょう。
EQもCOMPも必要なければ音も劣化せずに澄むので使わない方が良いのです。
例えば、Vocalトラックの場合、
87や414などのコンデンサーマイクと、MP1A などのマイクプリ、
1176を軽く挟んだ、正に王道な録り音であれば、EQしないでも成り立つことも珍しくないです。
マイクとの距離が近く、低域が膨らんで録れてしまっていた場合、200Hz付近を削ることもよくあります。
EQにも理由があり、それは得てして問題の解決策なのです。
キックをトリガーにしたサイドチェインコンプは比較的、攻めの姿勢全開にみえますが、
「キックをしっかり鳴らしたいけど、他の音が埋もれて小さく聴こえてしまう」といった問題点への解決策だったのでしょう。
なので、薄くアプローチする分にはどのジャンルの楽曲にも使える万能なテクニックなのです。
まずは問題点を把握すること
MIXの手法として一番大事な考え方だと僕は思います。
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tkr